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超☆未期限



塩辛と渡世術 第四章 頂

 そうして、いつもならはやばや午前3時ごろには届く、最早牛乳というよりはモンゴルあたりで主食になりそうな少しどろどろしたものを毎日配達してくれる、気立てはいいが色欲にはだらしなさそうな、またそれが災いして去年念願かなってオープンさせた半田鏝屋を差し押さえられた感じのアンちゃんが最近は少し遅めに配達してくるせいで最早モンゴルの主食というよりもどう考えても牛乳といわざるを得ないものを配達するようになってから内臓の状態がすこぶるよくなったのは最近の話ではあるが、それこそまさに「夏のせい」だとかんじられる精神状態が果たしてまねいたのは予定調和に近い形での再就職であった。

 しかし、再就職と一口に言っては見たものの、それがどういうことかがさっぱりと良識ある国民には伝わらなかった。まずそもそも「再」とはなんぞや?初めてなのに再?しょっぱなからなぜ?RE:?そこに感じる矛盾はまるで西川口では帝王と呼ばれるほどの男が全国規模で見たらただの素人童貞でしかないというのと同じものであり、侘び寂を重視した以前の日本では考えられないことである。
 しかし、背に腹は変えられないというのも事実である以上、モンゴルからの主食が絶たれた以上、それ以前にモンゴルからの主食も牛乳もお隣さんの家に届くものである以上、再就職をしなければまずい気が全国津々浦々を駆け抜けた「町へ!」が合言葉となり良識のある国民たちはいっせいにそれぞれお気に入りの食器をこれでもかと抱えて飛び出した。そして轢かれた。その日、国道を「世界の名作シリーズ絵皿」がこれでもかと言わん限りに舞い踊った。

 そのことに異常なまでに関心を示した、一握りのリトマス試験紙たちは「明治大正昭和とふりかえったときに、必ずといっていいほど出てくる、あの錦糸玉子ににていて、こう、甘くて、ふわふわしてる、、、、、あーっと、ああ、そうそう錦糸玉子だ!その錦糸玉子が、、、え?何の話してたっけ?」と己のアルツハイマー疑惑にさらに拍車をかけるような発言をして、世間をにぎわせたのは記憶に新しいが、ではポリエステルというものを真剣に考えていた邪教集団たちによる、きわめてあいまいなやり取りに対しても我々は必要以上にさわやかでなければいけない、と誰かが頭をなでながら猫なで声で言ったいたことを、さも武勇伝のように語る資格が誰にでもあるのか?ときかれると、それは詰まるところの

 「小雪はありなのか?」

と聞かれた日本人男性(YESMEN)と同じくらい、悲しいくらいに自分がただ無力であるということをたたきつけられた形になるが。それでも銀座線は今日も走っているということにつけて言えば、大方の予想をどおり、いがいに(小雪は)なしなのかもしれない。
by sansetukon4 | 2004-10-03 00:07 | 塩辛と渡世術
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街は後いくつの戸惑い投げかけるの?

by sansetukon4
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